スマートクーリング
STUDERの新しいコンセプトであるSmartJet®は、 研削砥石へのクーラント流量を精密に機械側 で制御することができます。 これにより、生産コストを 削減し、環境を考慮した持続可能性を高めること ができます
多くの機械では、研削工程のクーラント量を手動でコントロールするのはオペ
レーターに任されています。ノズルを正しく配置し、ボールバルブを手動
で操作する必要があります。 そして、ポンプがクーラント液(通常は油や水)
を研削箇所に送り出します。 多くの場合、クーラント流量が必要以上であったり、ノズルの位置が最適でなかったりすることがあり、効率
や環境にとって悪い影響を及ぼしています。 STUDERは今、特許取得済み
のSmartJet®コンセプトで新しいアプローチを試みています。
スマートという言葉がすべてを物語っています: これからは、クーラント量調整は
機械制御システム側の仕事です。 周波数制御ポンプと動圧測定ユニット
が主な構成要素となります。 これにより、粗、中仕上げ、仕上げ研削など、各工程に最適な流量を精密に調整可能になります。 クーラントは、ディストリビューターを通って流れを最適化した調整可能なノズルを介し
て研削砥石に到達します。「 このコンセプトは、正確で再現性のあるクーラント制御
を保証するものです」と、プロジェクトのマネジャーのMartin Habegger
氏は強調します。「 約12~20m/sの範囲と高い出口速度を持つクーラントの
コヒーレントジェットを作り出し、砥石外周の空気層に容易に打ち勝ちます」 これに
より、プロセスの信頼性が向上し、同等の研削結果を得るために必要な
クーラントの量が少なくて済みます。
水とエネルギーの必要量を大幅に削減
そのために開発されたSmartJet®ノズルは、最先端技術です: そのデザ
インはフラットで、内部にはクーラントを幅方向に均等に分配するチャンネ
ルがいくつも並んでいます。 背後のディストリビューターには、必
要に応じて複数のノズルを並べることができます。 SmartJet®ノズルと
ディストリビューターは、その複雑な設計から、ザンクトガレンにある姉妹
会社IRPDが3Dプリンティングプロセスを使って製造しています。 スマー
トクーリングコンセプトは、モジュラー設計されていま
す。 クイックチェンジシステムを搭載し、個々の部品を短時間で組み
替えることができます。
その結果として、SmartJet®は、ユーザーのセットアップ時間を短縮
するだけでなく、より効率的で環境にやさしい研削を可能にします。 「水使用量は40パーセント、エネルギー消費量は50パーセントも削減されます」と
Habegger氏は言い、こう付け加えます:「 このようにSmartJet®は、金属
加工において環境に大きく貢献するものです」