オーバーホール、改造、それとも機械の更新?
工作機械の生産的な寿命は限られています。 旋盤、フライス盤、あるいは研削盤など、あらゆる機械の精度と信頼性は時間の経過とともに低下します。 そうした時間は、機械の基本設計、使用頻度、稼動時間、メンテナンスの頻度により異なります。 稼働率を注意深く監視する企業は、通常、20%以上を占めるダウンタイムが、生産計画、メンテナンス、そして最終的には収益を不安定にしているということにきづいています。
この問いは、ダウンタイムが許容できないレベルに達し始めたときに、多くのオペレーションマネージャーから寄せられます。 今使っている機械納入後、大きな技術的進歩がありましたか?または新しいワークが追加されたことにより加工条件が変更されましたか? 多くの場合、機械のオーバーホール――改造を施して、または施さずに――、あるいは新台への更新のどちらが得策であるかを簡単に答えることはできません。
オーバーホール
工作機械の標準的なオーバーホールには、すべての機械コンポーネント、電気コンポーネント、空気圧コンポーネント、油圧コンポーネントの完全な分解と点検が含まれます。 UNITED GRINDINGグループのRebuild部門では、OEMの基準に基づいてコンポーネントを修繕、または新品同様にします。 ガイドウェイが修繕または新品同様にされ、機械の形状は元の状態に復元され、文書化されます。 専門家が部品の古い塗料を剥がし、塗り直します。 その後、機械を再び組立て、機能的および幾何学的検査を実施して、機能性に変更が加わることなく元の状態に戻ったことを確認します。
また、規模は小さくなりますが、同じ手順に従って機械の一部だけをオーバーホールすることもできます(アセンブリー・オーバーホール)。
CNC研削盤の完全なオーバーホールには、新台のコストの約75%を見積もる必要があります。 一般的なオーバーホールのサイクルは約15年ですが、機械の使用頻度が非常に低く、良好にメンテナンスされている場合は、それより長くなります。 しかしながら、機械が毎日3シフトで稼働し、メンテナンスが最低限に抑えられていると、この期間は大幅に短くなります。
改造
経験上、UNITED GRINDINGグループでオーバーホールされた機械の約60%が元の場所に戻されて、以前と同様の設備稼働率のもとで基本的に同様の加工が行われていることが分かっています。 その他の機械では、追加のまたは異なるタスクに適応するよう、さらなる修正が施されます。 業界が、大ロット量産型の長期契約から、新しい多品種少量(HMLV)アプローチの生産へと移行していることに伴い、機械の改造率が高まっています。
研削盤の改造には通常、より複雑で生産的な研削プロセスを可能にする機能の追加や、生産性の向上を目的とした自動化などの追加システムの採用が含まれます。 CNC制御システム全体の交換は、それによって最新ソフトウェアモジュールの利用、そして制御システムに将来的に必要となる予備部品の供給確保が可能になることから、その典型例と言えます。
更新
摩耗した、信頼性の低い研削盤の代替として最も頻繁に選択されるのは、新しい機械への更新です。 オーバーホールより費用がかさむものの 、適切な投資戦略と配置によって新しい機械の購入がより収益性の高いものになることがよくあります。 減価償却、インセンティブ、その他の税金関連事項に関しては、機械の使用年数によって大きく異なる場合があります。また、技術進歩に伴い、新しい機械の機能を基盤として多くのアプリケーションの生産性を高めることができます。
UNITED GRINDINGの機械は、長年にわたって可能な限りトラブルなく、精緻で、収益性の高い操業を実現するように設計・製造されています。 メーカーの推奨に従って継続的なメンテナンスとサービスを実施することで、運用寿命と可用性が向上します。 また、機械のライフサイクルの終わりが近づくと、弊社は生産性を継続的に維持する最適な方法を見出すためのオプション選択に関してのサポートをご提供します。 弊社ではこれをUNITED GRINDINGのカスタマーケアと呼んでいます。