複雑形状の航空宇宙用部品には、優れた性能を備えた研削盤が不可欠です。

巨大なタービンブレード、広範なヒューズパネル、堅牢な着陸装置コンポーネント。 多くの工場で、航空宇宙産業向けの大型部品の製造に重点を置いています。 しかし、本当の課題は小型部品の製造にあります。 精密ねじや部品を結合する高性能ブラケット、最新ジェットエンジン用の小型ブレードおよびベーン、空気抵抗を軽減するフェアリングカバーの製造： このような小型の航空宇宙用の部品には、優れた性能を備えた研削盤が求められます。 UNITED GRINDING社 は、スペースを最大限に活かし、円滑な生産フローを可能にするコンパクトなCNC5軸研削盤MÄGERLE MFP 30－  を開発しました。

MFP 30 は生産性を重視した最高レベルの高能率加工を提供します。 例えば、プリロードされたボールスクリュはバックラッシュを防ぎ、 Y 軸の油静圧軸受けは優れた振動減衰性をもたらします。 これにより、精度と高い被削材除去率を両立し、振動を抑制した加工は工具の長寿命化に貢献します。 デュアルベアリングとサーボモータドライブ、省スペースの正逆の両回転方向対応のテーブルドレッサにより、効率的で且つ信頼性の高いドレッシングが行われます。 MFP 30 の高剛性ホルダHSK-B80ホルダ は、300 mm x 60 mm x 76.2 mm (11.8" x 2.36" x 3") の研削砥石に対応し、ワイドなプロファイル形状に応えます。

MFP 30は、一般的なレシプロ研削に加え、クリープフィード研削に対応するため、12,000rpmのダイレクトドライブ式スピンドルを搭載し、26kWの出力（1,750rpm～）と低回転時の高トルク仕様です。 高速回転は、研削だけでなくCBN電着工具によるフライス、穴加工用に適しています。  

マルチプロセス機能ために、MFP 30には効率的にチップを除去するクーラントスルーの主軸を搭載し、工具寿命の延長、仕上げ面の改善、生産性向上を実現します。 12 又は 24 個の工具ポジションを備えた自動工具交換装置には、最大12インチの砥石、ミーリングカッタ、ドリルの切削工具も搭載可能です。 お客様のご要望に応じて、測定プローブを取り付け、ワークの位置決めとワーク寸法を確認することもできます。 MFP 30 は自動運転中であっても、作業者が自動工具交換装置で工具の段取りをできる利点があります。 マルチタスク機能により、 1 回のセットアップで砥石や切削工具の多様な工具を利用し、部品を加工できます。ワンクランプ加工により、ワーク着脱で生じる精度劣化を防ぎ、プロセスの信頼性を最大限に高め、サイクルタイムを短縮します。

ワンクランプで加工できる複雑部品の例として、タービンブレードが挙げられます。 このような部品を加工する為には 、通常6工程が必要とされています。 まず、一般的な汎用砥石でブレード片側の 2 つのプロファイルを研削します。 次に B 軸でワークを回転させて、反対側の 2 つのプロファイルを研削します。

工具交換後、ブレードの翼根付近の前後のエッジを研削します。 5つ目の工程では、ノッチを CBN砥石で研削し、6 番目の工程でトーラスエンドミルでポケットをフライス加工します。 これら複数の工程を 1 度のセットアップで行うことで、サイクルタイムが大幅に短縮され、ワークの精度が向上します。工程ごとに、プロセス管理が不要となり、ワークの移動で生じるヒューマンエラーがなくなります。

MFP 30 のようなコンパクトな機械は、特に航空宇宙産業において、特定の部品や工程に対しどのようなメリット をもたらしますか。 機械加工時間の短縮、セットアップ工程の削減および工場でのより効率的な加工などが挙げられます。 また、小型部品の少量多品種生産にも対応します  。